芭蕉林通信(ブログ)

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2011年11月02日 フランス視察報告(第2回)

  トリノ・リンゴット(Turin Lingotto)
北部イタリアの工業都市であるトリノはサボィア家の公国があった所でもある。旧市街には、サボィア家の宮殿など歴史的建造物が残されている。
当地のリンゴット地区には、1923年に自動車会社フィアット社の非常に長い生産ラインを持つ大変ユニークな工場が建設・操業された。しかし、1970年代には工場の陳腐化が始まり、1982年には閉鎖。その跡地が再開発され、今でではコンサートホール、劇場、コンベンションセンター、ショッピングモール、ホテルの入った近代的な複合施設に生まれ変わっている。
ホテルの部屋は家具や調度品までモダンなイタリアンデザインで統一され、センスの良さを感じさせてくれた。

 コート・ダジュール(Côte d’Azur)
 フランス語で「紺碧の海」の意。地中海に面したマントン、モナコ、ニース、カンヌなど風光明媚な沿岸地域で、瀟洒な建物が並ぶ高級避寒地である。この地区は、歴史的にはイタリアやフランスに編入されたり、離脱したりした経緯を持っており、国境があるとはいえ民族的にも言語的にも入り交じっている。その上、モナコは世界で2番目に小さな独立国として国際連合に加盟しており、コート・ダジュールの特異性を際だたせる一因ともなっている。
地中海の彼方にはアフリカ大陸があり、古代から今日まで幾多の文明の衝突があったと思えば、感慨深いものがある。
因みに、リビエラとはイタリアの地中海沿岸からフランスのこの地区にかかる地域を指す総称である。

2011年11月01日 フランス視察報告(第1回)

■古代ローマから華やかな宮廷文化、 
 燦然とした絵画史を誇るフランス
 
本年は待望の九州新幹線全線開業の年を迎えたが、3月の東日本大震災の影響が大きく、夏場にかけてようやく本来の観光振興行事が再会しつつある状況である。
そういう中、熊本の観光振興のヒントを得ようと考え、ドイツ、イギリスに次いで本年はフランスを視察先に選んだ。同国は周知のごとく観光大国であり、年間8190万人(2007年)という世界1位の観光客(因みにVisit Japanを推進中の日本への観光客は年間861万人(2010年)を集めている。我々は同国の主立った観光地を視察した上で、改めて観光大国の諸条件を明らかにしたいと考えたのである。
 
●国別の外国人観光受け入れランキング(観光客数):出所:2004年 世界貿易機関統計)
フランス・・・・・・・7510(万人)
スペイン・・・・・・・5360(万人)   
米 国・・・・・・・・4610(万人)   
中 国・・・・・・・・4180(万人)
イタリア・・・・・・・3710(万人)    
英 国・・・・・・・・2770(万人)
香 港・・・・・・・・2180(万人)    
メキシコ・・・・・・・2060(万人)
ド イ ツ・・・・・・・2010(万人)
オーストリア・・・・・・1940(万人)                
 

■はじめに

1991年のマーストリヒト条約により、ECはその2年後にEUへと発展した。加盟国の拡大を図り、単一通貨ユーロの導入や国境間の移動の自由化を進め汎ヨーロッパの大望を実現した。しかし、リーマンショックをきっかけに、現在ギリシャなど加盟国の国家財政の破綻がEU体制を揺さぶっている。
EU域内では、地理的に歴史的に移民を多く抱えている国が多く、経済的な地盤が揺らいでいる今日、移民に対する寛容さを見直す動きが出ている。
環境問題では、旧ソ連のウクライナにあったチェルノブイリ原子力発電所の重大事故以来、一段と関心が高まっている。それに加えて3月に我が国で発生した大地震と津波による福島第一原子力発電所の損壊と放射能漏れは、EUにおける原子力利用の全面的な見直しを呼ぶこととなった。すでに、ドイツやイタリアは近い将来、原子力発電を停止することを国家決定しており、その点でも今後の動向に留意する必要がある。

行 程
 
今回は南仏からスタートして、世界遺産が数多く点在するフランス中部を経て、北西部のノルマンディ地方、そして首都パリをバスで目指すこととした。結果的には、総走行距離2,295Kmを数えたが、下車して視察した都市ばかりでなく、車中から見たフランス国土や町、村などが強い印象を与えてくれることとなった。
特に、平坦な国土は至る所で地平線が確認できるほどで、農業自給率が111%という農業国の一面を感じることができた。
 
●旅行日程 9月22日〜28日 
22日・・・トリノ(イタリア)→マントン(以後フランス)→モナコ→エズ→ニース
23日・・・グラース→カンヌ
24日・・・エクス・アン・プロヴァンス→アルル
25日・・・アヴィニヨン→ポン・デュガール→リヨン
26日・・・ブールジュ→ロワール渓谷
27日・・・モン・サン・ミッシェル
28日・・・パリ
 

2011年10月04日 偉大な絵画史を残したフランス

9月の1週間をかけて秋のフランスをバスで縦断してきました。走行距離は2,295kmとなり、フランスの国力や文化度の高さを実感することができました。

今回のコースは、イタリアのトリノからアルプスを越えてコートダジュールの諸都市を視察することから始まりました。主な訪問先は、マントン、エズ、ニース、モナコ、グラース、カンヌ、エクス・アンプロバンス、アルル、ポン・デュガール、リヨン、ブールジュ、ロワール渓谷、モン・サンミシェル、パリなどです。
昨年のイギリス視察では、ワーズワースやジェアトリック・ポーター、シェークスピアといったぐあいに文学関係の印象が強く残りましたが、今回のフランスでは著名な画家の足跡を追いかけるということになりました。仕上げは、パリのルーブル美術館ですから、絵画のイメージは決定的です。

一例をあげますと、エクス・アンプロバンスではセザンヌのアトリエを見学することができました。瀟洒な階段を上ると、2階いっぱいがアトリエです。南向きに大きな窓がありますが、日差しを調整するために鎧戸は2重で、カーテンまで付けられており、微妙な日の光を捉える工夫がしてあります。角には、サント・ヴィクトワール山を写生するときに身につけていた実際のリュックサックや杖、外套も残されており、「リンゴ一つでパリを驚かしてみせる」と言ったセザンヌを身近に感じる幸せに浸りました。

さて、掲題の写真は、アルルの跳ね橋です。ゴッホが絵にしたことで有名になった跳ね橋を再現したものです。ゴッホがアルル時代に絵にした5カ所ほどを一人早朝から探し歩いたのは、今では貴重な経験です。

天才ゴッホはアルル時代に代表作のほとんどをものにしているのですが、その期間たるや、わずかに2年強。作品300点余りを精力的に書き残して、38才でこの世を去ったことを知り、感慨深いものがありました。

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