芭蕉林通信(ブログ)

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2012年01月10日 セザンヌのアトリエでのお土産

今もって、フランスで訪れたセザンヌのアトリエで写真撮影が禁止されていたのは残念でたまりません。仕方がないので、アトリエのある二階に通じる階段や家の前の庭を撮影してきました。それらの写真を見ると、やはりセザンヌ独特の色使いが感じられ、大事なワンショットになりました。

アトリエの訪問を終えて立ち寄ったお土産コーナーは、一階部分にありました。そこで、珍しいと思い買って帰ってきたのが、写真の陶器製のリンゴ類です。近くに住む陶芸家が作っているそうですが、色彩や質感が見事に表現されているのに驚きました。

これらを日本で買ったのでは感激しなかったのでしょうが、なんと言ってもリンゴを描かせたら天下一品のセザンヌのこと。彼のアトリエで手に入れたという付加価値があり、私にとっては貴重な記念品となりました。

試しに、日本で売り出し中の若手陶芸家の白磁のボールに入れてみましたら、御覧のとおり本物と見間違うような静物画が出現したのに、感激したものです。

2012年01月07日 新年のご挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。
新年早々に熊本城内にある加藤神社に参拝に出かけました。そこの宮司さんに、「祈るとは、神に近くいること」と言われ、昨年来の災害の多い時こそ祈ることが大事と教えられました。

確かに東日本大震災の時には、想定外という言葉が飛び交いました。しかし、しょせん人間が自然界の動きを想定しようとすること自体が傲慢なことではなかったのでしょうか!?歴史上でも、人知の及ばないことが数多く起こっており、私たちは謙虚になって、あるゆる事態を想定して行動を起こさなければならないと思いました。

さて、今年の日本列島は大変に厳しい寒さのなかで新年を迎えました。
一寸先は闇という言葉をよく聞くのも今年の特徴です。世界を眺めれば、フランス、ロシア、アメリカ、中国など世界の大国で政治のリーダーが代わろうとしています。これらも偶然の一致とは思えません。世界中が難問に直面しているようです。

福沢諭吉が、一身独立して一国独立す、と言っていたように記憶しています。政府や他人に過度に頼ることなく、自らの力で難局を乗り切る勇気が求められていると感じています。

今年一年、皆様方の夢が叶うように、文字通り、祈っております。
Sotaro’s Eyeもよろしくお願いします。

2011年11月10日 フランス視察報告(第10回:最終回)

■まとめ
 現地調査に加えインタビュー等を試みた結果、フランスの観光大国としの成立条件を下記のように総括した。
 
1 抜群の知名度
特に中世から近世にかけて、芸術・文化の中心であった。また、政治的な革命や啓蒙思想などにより、世界に向けて情報発信がなされるとともに、多大な影響を与えた。帝国主義の時代に、アフリカやアジアに植民地を数多く設けたこともフランスの知名度の向上につながっている。
 
2 華の都、芸術都市
セーヌ河岸が世界遺産に登録されている点から分かるように、首都自体が歴史を感じさせる魅了的な都市空間となっている。昔から芸術家憧れの国であり、かつて詩人・萩原朔太郎は「ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背廣をきて きままなる旅にいでてみん。」と詠んだ。
 
3 美術館巡り
世界中から文化・芸術作品を収集したという歴史がある。加えて、世界的な画家や音楽家を輩出した結果、膨大な美術品が数多くの美術館や博物館に納められている。東洋に関する美術品を集めた施設としては、国立ギメ東洋美術館がある。
 
4 食事の楽しさ
フランス料理は世界無形文化遺産に登録されている。ミシュランなどレストランを評価する専門書が発行されるなど食文化は世界的である。日本人でフランスで修行した料理人も数多い。
マカロンなどのお菓子やカフェ文化は、外食が好きな国民性から生まれたものと思われるが、観光客にとって大きな魅力になっているのは間違いない。
 
5 有名人ゆかりの地
そもそも日本人で国際的に著名な人は少なく、フランス人には大きく差を広げられているのは、極東という位置からもやむを得ない面がある。
歴代の王侯貴族、文学者、画家、音楽家と広いジャンルで著名人が多く、その足跡を辿るのは楽しい観光資源である。
 
6 地理的優位性
極東に位置する日本と違い、ヨーロッパの真ん中に位置する強みは当然にある。アメリカとは大西洋を隔てているばかりであり、地中海の先にはアフリカ大陸がある。時間とコストにおいて、観光に有利な位置にある。

●フランスを訪れる観光客の主な出身国(出所:2004年 観光省)

出身国名         観光客数(割合)  泊数(割合)  収入(割合)
英国・アイルランド        19.5%    18.7%     15.6%
ドイツ                18.3%    18.3%     11.7%
オランダ              16.5%     13.9%       5.9%
ベルギー・ルクセンブルグ     11.7%      11.5%      10.1%
イタリア                  9.9%        8.8%       7.5%
スイス                  4.1%          3.5%      9.4%
スペイン                 4.0%          3.6%       4.7%
米 国                      3.5%         4.7%    12.6%
日 本                      0.9%         0.7%      2.4%
 
7 気候、天災の少なさ
観光は平和産業だが、地震や台風など天災が少ないことも観光成立要件としては無視できない。フランスは広い国土で地域差はあるにしても、天災が少ない上に地中海沿岸など温暖な気候に恵まれた地域を抱えており、安定した観光客誘致が可能である。
 
8 教会の巡礼者
世界遺産に登録された教会が多いのは、観光客に魅力的なばかりか、キリスト教の信者の聖地としての価値も高い。
 
9 買い物の魅力
とりわけ女性観光客の目当ては、美味しい食事と買い物と思われる。フランスには、世界的なブランドが多く、現地で買う魅力は大きい。
 
10 景観とおもてなし
フランスのどこにいっても花が美しく飾られていることに感動させられる。看板は一切見あたらなく、電柱や電線は最小限に留められている。また、日本人は会話が下手だが、欧米人であればコミュニケーション・ギャップは小さく、観光を容易にしている。
 
 
 以上10点に絞ってまとめたが、日本は日本らしさを強調しながらも、世界的な観光の常識といった点には素直に耳を傾け、さらに改善する努力が必要だと感じた。
 
 

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