芭蕉林通信(ブログ)

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2011年02月22日 トマソン発見

路上観察をするグループの人たちが、トマソン的と名付けるものがあると聞いたのは数年も前のことです。昔、巨人軍に外国人選手でトマソンという人がいたそうです。もっとも、巨人フャンの一人であった私の記憶にはないのですが・・・。 そのトマソン選手は周囲の大きな期待に応えることが全くできなかったそうです。
そしていつしか、そのトマソンの名前を路上で見つけた何とも目的の分からないもの、無用の物に付けたという訳なのです。

いつしかトマソン発見の野望に襲われた私の前に、絶好の機会が訪れたのです。それは、阿蘇のあるホテルに宿泊した時のこと、会議の合間に何気なく散歩していた裏庭にそれはありました。
こればかりは言葉で説明するよりも映像の力が勝るでしょうから、私が興奮しつつ撮った写真を見てください。つまりトマソン的な物とは、滑り落ちる所に一本の木が立ちはだかっている滑り台だったのです。

また再びトマソン的物に出会いたいと夢を持ち続けているのです。

2011年02月01日 リスクを取るということ

サッカーのアジアカップで日本代表が見事優勝を果たしました。久々に美酒に酔った国民は多いはずです。私の場合、テレビ中継を最後まで見ることはなかったのですが、それには二つの理由がありました。
一つは、翌日早く起きられないと困るということ、もう一つは試合の展開にどきどきして正視できなかったからです。

優勝後の解説は、解説者の個性もあり、いろいろな見方を教えてくれて参考になりました。ザッケローニ監督が控えの選手を含めて、選手一人一人に声を掛け、自分に自信を持つように働きかけていたという話がありました。一方で、監督は本来カリスマ性を持つべきで、決断は自分一人でするべきだと解説した人もいました。

そうした中で、はっと思った解説がありました。それは、岡田前監督とザッケローニ監督の比較です。岡田前監督は守備を固めて勝負する、ザッケローニ監督はリスクを恐れずに攻めて勝ちを取るというものでした。そして後者の場合の方が、選手の成長を促すというのです。
もちろん、ワールドカップで岡田監督の指揮の下、日本代表が予選を突破した時の選手の成長振りやチームワークの強さ、あるいは勝つことへの執念は、我々国民に感動をもたらしてくれたものです。

でもなお、リスクに挑戦して初めて人材が鍛えられるというのは、企業経営をしている者として実感できるのです。というのも、突然に亡き父の言葉を思い出したからです。積極策と消極策と迷ったならば積極策を取れ、そうすれば失敗しても後悔は少ないはず、というものです。

今では、父の言葉に次のように付け加えたいと思います。
積極策は後悔が少ないだけでなく、経験を通じて挑戦者の成長を強く促すということです。

2011年01月28日 思い出のエッセイ

こうしてこの欄で時たま独り言をつぶやいていますと、過去や現在に読み触れている名エッセイを思い出しました。

今でも強く覚えていますのは、寺田寅彦のハスの花がいかにして咲くかというもの、栄久庵憲司の「幕の内弁当の美学」、團伊玖磨の趣味とは時間をかけるものとしてコーヒー栽培に乗り出す話などです。

ハスは、夜の内に水面までの距離を測った後に沈み、改めて水面できれいな花を咲かせるとの観測記事は衝撃でした。また、幕の内弁当は一種の小宇宙であり、日本古来の箱庭にも似てそれぞれの料理が見事に配置されている様は美学そのもの、という慧眼に目から鱗が落ちる思いでした。

昨年のことですが、行きつけの古本屋に團伊玖磨のエッセイ集「パイプのけむり」がうずたかく積んであるのを見た時は感激しました。大学時代に読んだ一つのエッセイが頭に浮かんできたからです。

それは趣味としてのコーヒーがあり、こりに凝って八丈島でコーヒーの木の栽培を始めたというエッセイでした。感動しやすい性格であった私は、コーヒーの栽培までは手が出ないとあきらめ、それでもコーヒー専門店で焙煎された豆を購入し、これまた買ったばかりのコーヒーミルとサイフォンで本格的なコーヒー作りに挑戦したのです。悪戦苦闘すること2時間余り、できあがった琥珀色のコーヒーをわずか20秒で飲み終えた時に、私のコーヒー作りの挑戦は終わりました。あまりにばかばかしく思えたのです。

今、團伊玖磨氏の最後の一冊「さよなら パイプのけむり」が手元にあります。突然の奥様の死が語られた一冊は、改めてエッセイのすばらしさ、書く努力のすごさを感じさせてくれます。

そして、この本を手放された持ち主の書き込みが胸を打ちました。
H13.3.1. 読了 長年読み歓んだ「パイプのけむり」よ。さようなら。

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