芭蕉林通信(ブログ)

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2011年11月03日 フランス視察報告(第3回)

■マントン(Menton)

  人口2万8千人のマントンはジャン・コクトーが愛した町として知られている。紺碧の海に面して浜辺があり、取り囲むようにしてホテルや高級住宅が並んでいるのは、この地域の一環した形である。マントン郊外には、崖の上の村として著名なエズがある。いわゆる数多くある「鷲の巣村」と呼ばれるものの一つである。8世紀から10世紀にかけては、サラセン人の侵略が相次いだ地域であったため、住民は山の上へ、内陸へと移動し町を作らざるを得なかった。その名残がアルプスの山中や、地中海沿岸から少し入った所に散見される山や崖の上の町なのである。
なお、マントンは2月に開催されるレモン祭りが有名である。













■モナコ(Monaco)

車中からモナコの海に夥しく点在するクルーザーやヨットの豪華さに目を奪われた。ヨットショーが開催されていた影響かも知れないが、一人当たりGDPが19万5千ドルという超リッチなお国柄を感じるには十分な光景であった。モナコ公国は、個人所得税はなく、タックスヘイブンの国と認定されている。世界の富豪が住み着いており、日本人ではサッカーの中田英寿やウォーキング術のデューク更家などがいる。
ここにも、豪華な建物のカジノがあり、F1のモナコグランプリなど世界中から観光客を集める仕掛けがある点には注目すべきである。
ただ、モナコ人というのは人口3万2千人の僅かに16%に過ぎず、フランス人が46%、イタリア人が16%という構成である。軍事、治安は契約により、フランスに依存している特殊性がある。
豪華な建物の周りに多くの見物客が集まっているのは、パリのオペラ座を手がけたガルニエ設計のカジノ「ル・カジノ・ドゥ・モンテカルロ」である。全面に駐車しているのは高級車ばかりであり、華やかな雰囲気がこの一画には漂っていた。

2011年11月02日 フランス視察報告(第2回)

  トリノ・リンゴット(Turin Lingotto)
北部イタリアの工業都市であるトリノはサボィア家の公国があった所でもある。旧市街には、サボィア家の宮殿など歴史的建造物が残されている。
当地のリンゴット地区には、1923年に自動車会社フィアット社の非常に長い生産ラインを持つ大変ユニークな工場が建設・操業された。しかし、1970年代には工場の陳腐化が始まり、1982年には閉鎖。その跡地が再開発され、今でではコンサートホール、劇場、コンベンションセンター、ショッピングモール、ホテルの入った近代的な複合施設に生まれ変わっている。
ホテルの部屋は家具や調度品までモダンなイタリアンデザインで統一され、センスの良さを感じさせてくれた。

 コート・ダジュール(Côte d’Azur)
 フランス語で「紺碧の海」の意。地中海に面したマントン、モナコ、ニース、カンヌなど風光明媚な沿岸地域で、瀟洒な建物が並ぶ高級避寒地である。この地区は、歴史的にはイタリアやフランスに編入されたり、離脱したりした経緯を持っており、国境があるとはいえ民族的にも言語的にも入り交じっている。その上、モナコは世界で2番目に小さな独立国として国際連合に加盟しており、コート・ダジュールの特異性を際だたせる一因ともなっている。
地中海の彼方にはアフリカ大陸があり、古代から今日まで幾多の文明の衝突があったと思えば、感慨深いものがある。
因みに、リビエラとはイタリアの地中海沿岸からフランスのこの地区にかかる地域を指す総称である。

2011年11月01日 フランス視察報告(第1回)

■古代ローマから華やかな宮廷文化、 
 燦然とした絵画史を誇るフランス
 
本年は待望の九州新幹線全線開業の年を迎えたが、3月の東日本大震災の影響が大きく、夏場にかけてようやく本来の観光振興行事が再会しつつある状況である。
そういう中、熊本の観光振興のヒントを得ようと考え、ドイツ、イギリスに次いで本年はフランスを視察先に選んだ。同国は周知のごとく観光大国であり、年間8190万人(2007年)という世界1位の観光客(因みにVisit Japanを推進中の日本への観光客は年間861万人(2010年)を集めている。我々は同国の主立った観光地を視察した上で、改めて観光大国の諸条件を明らかにしたいと考えたのである。
 
●国別の外国人観光受け入れランキング(観光客数):出所:2004年 世界貿易機関統計)
フランス・・・・・・・7510(万人)
スペイン・・・・・・・5360(万人)   
米 国・・・・・・・・4610(万人)   
中 国・・・・・・・・4180(万人)
イタリア・・・・・・・3710(万人)    
英 国・・・・・・・・2770(万人)
香 港・・・・・・・・2180(万人)    
メキシコ・・・・・・・2060(万人)
ド イ ツ・・・・・・・2010(万人)
オーストリア・・・・・・1940(万人)                
 

■はじめに

1991年のマーストリヒト条約により、ECはその2年後にEUへと発展した。加盟国の拡大を図り、単一通貨ユーロの導入や国境間の移動の自由化を進め汎ヨーロッパの大望を実現した。しかし、リーマンショックをきっかけに、現在ギリシャなど加盟国の国家財政の破綻がEU体制を揺さぶっている。
EU域内では、地理的に歴史的に移民を多く抱えている国が多く、経済的な地盤が揺らいでいる今日、移民に対する寛容さを見直す動きが出ている。
環境問題では、旧ソ連のウクライナにあったチェルノブイリ原子力発電所の重大事故以来、一段と関心が高まっている。それに加えて3月に我が国で発生した大地震と津波による福島第一原子力発電所の損壊と放射能漏れは、EUにおける原子力利用の全面的な見直しを呼ぶこととなった。すでに、ドイツやイタリアは近い将来、原子力発電を停止することを国家決定しており、その点でも今後の動向に留意する必要がある。

行 程
 
今回は南仏からスタートして、世界遺産が数多く点在するフランス中部を経て、北西部のノルマンディ地方、そして首都パリをバスで目指すこととした。結果的には、総走行距離2,295Kmを数えたが、下車して視察した都市ばかりでなく、車中から見たフランス国土や町、村などが強い印象を与えてくれることとなった。
特に、平坦な国土は至る所で地平線が確認できるほどで、農業自給率が111%という農業国の一面を感じることができた。
 
●旅行日程 9月22日~28日 
22日・・・トリノ(イタリア)→マントン(以後フランス)→モナコ→エズ→ニース
23日・・・グラース→カンヌ
24日・・・エクス・アン・プロヴァンス→アルル
25日・・・アヴィニヨン→ポン・デュガール→リヨン
26日・・・ブールジュ→ロワール渓谷
27日・・・モン・サン・ミッシェル
28日・・・パリ
 

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