芭蕉林通信(ブログ)

HOME > 芭蕉林通信(ブログ)

622件〜624件 (全 745件)   <前の3件     ・・・   204 | 205 | 206 | 207 | 208 | 209 | 210 | 211 | 212  ・・・   >次の3件

2010年08月06日 大賀ハス

熊本県の山鹿市には、ハス園があります。暑い夏の一日、思い出したように初めてハス見学をしてきました。

我が家で睡蓮を栽培していますが、今年は花芽が次々とでき、花が咲く度に、凛とした花のたたずまいに感激しています。
そのような体験もあり、休日に突然大賀ハスを見に行こうという話になりました。大賀ハスとは、植物学者だった(?)大賀博士という方が、縄文か弥生の遺跡から発見したハスの種を栽培し、見事に大輪の花を咲かせたということで有名になったものです。昭和26年に発見された種は、翌27年にはきれいに花を咲かせたそうです。
ハスには素人の悲しさから、昼過ぎに行くつもりで現地に問い合わせたところ、花は午前中で終わるとのことで慌てて家を出ました。10時頃には現地に着いたのですが、当日は幸い曇り空でもあり、大型で凛とした多くのハスの花を見ることができました。もちろん、お目当ての大賀ハスを発見、花の横の大きな葉には、油蝉が涼んでいました。
ハスを見て改めて驚いたのは、茎が地上に伸び、高さが大人の背丈ぐらいになることでした。熱心な素人カメラマンに混じって、私も流れる汗を拭き拭き、何枚かの美しい写真を撮れたのは嬉しいことでした。
詳しい方に聞けば、見頃は朝の6時とのこと。来年は早起きして、美しハスの花がぽんと音を立てて開く様を見に行こうと誓って帰路につきました。

2010年07月22日 手間暇のかかるもの

先日、羽田空港での待ち時間を利用して、文房具店で赤色の万年筆を買いました。これで、既に持っている黒、白、青と合わせて4色が揃うことになりました。

 万年筆の魅力は、なんと言っても匂い立つようなインクの香りや色、そして手間暇かけてするインク交換などです。ペン先の繊細な刻印や少し太めの胴回りなども眼や手の感触を楽しませてくれます。
先般、ある雑誌が、あたなはボールペン派?それともシャープペン派?という企画をしていました。人はいろいろのこだわりを楽しんでいるようです。もっともこだわりは、趣味の世界では当たり前のことと言っても過言ではないでしょう。
團伊玖魔氏の名エッセイ「パイプのけむり」シリーズを読んでいた時、こだわりについての記述を見つけたことがあります。コーヒーに凝った團氏は、趣味は時間をかければかけるほど良いという考えの下で、八丈島にコーヒーの木を植えたのです。かつて、インドネシアのコーヒー農園で、香りの良い可憐な白い花がやがて熟し赤い実になるのを見たことがありますが、私の場合は、團氏のようにコーヒーが好きとはいえ、自分のコーヒーの木を植えようと思ったことは当然ありません。コーヒー農園は大変暑い所にあり、かつまた良いコーヒーを作るためには、木に陰を作る役目を持ったシャドーツリーを植えたり、それはそれは手入れが大変だったという印象があるからです。
ただ当時大学生だった私は、團氏を真似してコーヒーミルを買い、豆を挽き、アルコールランプの火でコーヒー作りに挑戦したことがありました。要した時間は約2時間でしたが、一杯のコーヒーを30秒で飲み干した時に、あまりのばかばかしさに気づき、その後は一回もコーヒー作りをしなかったという苦い経験があります。
そして年月を経て、新たに職人芸に惹かれるようになりました。じっくり時間をかけ、磨いた技で作られた作品は、雑貨であれ文具であれ職人の手触りが伝わるようで眼を奪われます。丈夫で長い使用に耐える工業製品とは違い、手作りの品の取り扱いは実際は厄介なものではあります。ゼンマイ仕掛けの柱時計、毎晩酒を飲みながら育てる陶器の酒杯、オーバーホールの必要な自動巻の時計などは、世話をして初めて愛着の湧くものです。この点、友情と全く同じものです。

2010年07月15日 ざりがに始末記

若い人と付き合うと、新たな発見をするものです。かつて読んだ記事では、大手オートバイ・メーカーのデザイナーが自分の息子と会話することで、若者のニーズを知ることができ、そのお陰で商品デザインがスムーズに行くとの話が紹介されていました。

私にとっての若い人とは、3才の孫です。4ヶ月一緒に過ごす内に、いろんな所に連れて行くことになった訳ですが、その内の一つが川エビ捕りでした。
熊本は本来水の豊かな県であり、火の国・水の国と呼ばれるほど湧水に恵まれています。阿蘇の白川水源や池山水源に限らず、県内至る所に名水あり、という状態です。
熊本市内では、画図湖周辺が親水地域として、昔から市民憩いの地となってきました。水前寺公園にしても、画図湖と同じ水系に連なっています。
さて、6月初旬のこと、孫二人を連れて家族一緒に画図湖の親水公園にエビ捕りに行きました。孫はその一週間前にも父親とエビ捕りに行き、エビ捕りに失敗していたので、そのリベンジといった趣でもありました。
天候は薄曇り、さわやかな風が湖畔の緑地帯を流れていました。小さなせせらぎがあり、水は透き通っています。そこに、全員が交代で持参の網を入れましたが、幸いにもエビ、小魚が捕れて皆大喜びしたのです。
自宅に持って帰り、孫のために新調した水槽に獲物を入れ飼うことにしました。飼い始めて2~3週間たった頃に、獲物の中にザリガニが2匹紛れていることが判明したのです。
それから、そのザリガニ君は脱皮を繰り返すこと合計4回、あれよあれよという間に水槽の中のボスに君臨することになったのです。ところが、かわいいエビや小魚と比較すると、そのザリガニの異様な大きさに恐怖を感じるようになったのです。
ザリガニとの別れの時が来ました。もはや水槽のギャングを飼う訳にはいかないと決断し、梅雨空の下、近くの川に放流したのです。
夏の川 ザリガニ育ち そっと投げ
孫との思い出は、残るエビと小魚だけとなりましたが、水槽には久しぶりに平和が戻ってきたのです。

622件〜624件 (全 745件)   <前の3件     ・・・   204 | 205 | 206 | 207 | 208 | 209 | 210 | 211 | 212  ・・・   >次の3件