芭蕉林通信(ブログ)

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2009年07月15日 懐かしいもの

先日、田園風景に囲まれた町、和水(なごみ)町を訪問しました。その町の古い酒造メーカーでは、酒蔵ならではの貴重な酒の数々を試飲させていただきました。

その工場には、会社の歴史を感じさせる物が満ちあふれています。煉瓦作りの煙突、木でできたタンク覆い、麹を吸い続けた木製のはしごなど、いい味をしたモノばかりです。古びた鉄板は錆び付いていますが、まるで抽象画のような色合いです。
そうした工場の片隅に、写真に撮った一角がありました。古い屋根瓦の下、トタン屋根があり、またその下に洗濯機など家庭用品が並んでいるのです。何気ないその一角が、昔私が少年だった頃の一シーンを見るようで、感激しました。
いわゆる美しいモノではないのかも知れませんが、私にとっては印象に残る素晴らしい一角でした。幸いにも、その酒蔵は近々観光客が見れるように改造するそうです。
多くの人に感動を与える場所になってほしいと思った次第です。

2009年06月24日 沖縄の島観光に想う

一昨年に訪れた石垣島とその周辺の島巡りは、日本の高度経済成長以前の素朴な生活を思い出させるものでした。
小浜島や竹富島に船で渡ったのですが、まずびっくりしたのは船便の多さです。人口わずかな小浜島に向けて、1時間を空けずに頻繁に船が往来しているのです。乗客は、生活便として利用している島民というより、観光客が多いようでしたが、それにしても日本最南端の島々を多くの船便が結んでいるのは一種爽快感がありました。

翻って熊本の場合は、熊本市と天草諸島を結ぶ高速船が減便するなど乗客不足に悩まされているのが現状です。昭和41年に天草五橋が完成以来、自動車での来島が便利になったのは分かりますが、島の魅力を増すことにより、ロマンチックな船便を観光面で活かせないか、今後に期待したいと思います。
もちろん、沖縄の人たちの努力は大変なものがあります。写真は、水牛による牛車での島内観光が有名な竹富島のものですが、古き良きものを残そうと島民上げて努力していることが読み取れます。昔の郵便ポスト一つとっても懐かしいものです。絵になります。
この島では、新しい建築は禁止、島以外からの移住も制限、昔からの家並みを囲む珊瑚のかけらの道は毎朝掃き清めるなど、継続的な自然景観の保存運動がされています。そして、なんと驚くことは近年若者が移住し定住し始めているという事実です。
歴史を刻んだものは、一度破壊されると復活はできません。もったいないの思想というより、故郷への誇り、美意識、歴史への憧憬といった視点から、自然や景観が保全されたら素敵だなと思います。

2009年06月15日 絵心

今日の本屋での収穫は、細川護煕さんの特集「閑居に生きる」と太宰治生誕100周年記念の別冊太陽「太宰治」、別冊宝島「太宰治」の3冊です。

先週末に上京した際に、太宰治に縁のある三鷹市で大がかりな生誕100周年の記念行事があっていることを知りました。時間の都合がつかずに三鷹にまで足を伸ばすことはできなかったのですが、新聞記事に波瀾万丈の生涯が紹介されており、久方ぶりに代表作とその生い立ちを知りたいと思った次第です。
かつて大学時代に下宿していた近くには玉川上水が流れており、太宰治が心中したというには、水かさが少なく不思議に思ったことがありました。心中を繰り返したという太宰治、今からその一生に興味津々です。
一方、細川護煕さんは熊本県知事時代に弊社に選挙演説のために来ていただいたことがあります。その時に私と二人で写った写真が残っていますが、私だけが老けて細川さんが今なお若々しいままのなのにはびっくりします。
若々しさの秘密を探るべく、「閑居に生きる」を購入しました。細川さんは素晴らしい陶芸を続けられるだけでなく、最近は書や水墨画にまで興味を広げられ、それらも又味わい深い作品群になっているのには感嘆します。
私も閑居に惹かれる昨今ですが、所詮人間の土台が違うのですから、私の場合は、「小人閑居して不善を為す」となるのが落ちでしょう。
さて、先日風呂に入っていたら、水面に窓の向こうの笹が映っていました。灰色と緑のコントラストにふと絵心が芽生えました。

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