芭蕉林通信(ブログ)

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2008年12月01日 一日に四季あり

熊本県の俳句同人誌「阿蘇」12月号に寄稿したものです。

 念願の南米三か国の旅が終わった。きっかけは、ブラジル移民百周年の記念イベントへの参加である。近頃は体がくたびれやすくなったいるので、旅は強い願望があるか又は何かのきっかけがないと踏ん切りが付きにくくなっている。その点、地球の裏側に行くチャンスを得たのはありがたかった。
 サンパウロは意外と大都市である。道は車の洪水であり、熊本からの移民の皆さんの活躍もあり親日的であるのが嬉しい。日本との違いとして、戸籍がない、車の車検がないなどと教えてもらう。公園には美しいジャカランダの青い花が咲いている。日中の暑さにかかわらず朝晩は冷えることから、一日に四季があると言うらしいがこんな場合は季語はどうなるのかいらぬ心配をしたりする。さらに言えば、南半球にあるので季節は日本と逆なのだから、なおややこしい。
 母からの宿題をホテルで果たさそうとしてみた。宿題とは水が作る渦巻きは、北半球とは逆になるかどうかというものである。ホテルのバスタブで実験してみたところ、反時計回りで回る渦を観察できた。証拠写真を撮ろうと再度実験した時のこと、今度は時計回りに回る渦を見てがっかりした。もっとも日本ではどっち回りで渦ができるか聞いていなかったので、最初からいい加減なものである。 珍道中は、その後アルゼンチン、ペルーへと続いた。ブエノスアイレスでは、この都市の名を入れた俳句を作るのは難しいなあと話ながら情熱的なタンゴを鑑賞した。世界遺産の中で一番人気のマチュピチュでは、高山病と闘いながら絶景を堪能できた。時代的には加藤清正が熊本城を築城した時期にあたるのに、マチュピチュはなぜこんなに人気があるの、という感じである。でも、周囲には未踏の険しい峰々が連続していたり、偶然発見された歴史的経緯などはやはりロマンをかきたててくれる。
 今回は高所恐怖症に加えて高地恐怖症になった旅でもあった。

2008年11月04日 物語る写真

ブラジル移民100周年の記念式典に参加するために、先月南米ブラジルに行ってきました。

熊本県からは蒲島知事、幸山市長始め総勢130名が参加しました。私自身はこれまで欧米各国には少なからず行く機会に恵まれてきましたが、南米は初めての経験です。そのため、大変に新鮮な感動を覚えまた各国の実情を知る良い機会となりました。
サンパウロでの公式行事が終わると、アルゼンチンとペルーに足を伸ばしました。道中、4カ所の世界遺産を見学できたのは幸いでした。それらは、イグアスの滝、クスコ、マチュピチュ、リマです。
今回は張り切ってデジタル一眼レフを新調し、約千枚の写真を撮ることができました。従来は、建物や風景などばかりを撮影していましたが、今回は現場にいる現地の人物をできる限り撮影しました。その結果、写真に奥行きが出たばかりでなく、物語が加わったようで満足しています。
これからも、身近にある物語を風景や自然と共に切り取りたいと思っています。

2008年10月14日 芭蕉はプロデューサー

「悪党芭蕉」という強烈な書名に惹かれて読んでみました。ところがどっこいです。芭蕉の俳句への考え方、弟子達の暗闘などが俳句批評と相俟って実に面白い一冊でした。

月一回の俳句の会では、自分の才能のなさを徹底的に知らされています。今まで歩んできた道が浅はかだったのではないかとか、自然観賞における感性がきわめて乏しいのではないかと自己嫌悪に陥ることが度々です。
そんな時に読んだ本「悪党芭蕉」には、芭蕉高弟の作に名句や迷句もあり、少しは慰められる心地がしました。
たまたま今月は同期会が京都で開催されたので、その機会を利用し嵯峨野へ足を伸ばし、芭蕉が滞在したことのある高弟去来の庵「落柿舎」を見学しました。芭蕉が晩年追求した”かるみ”などは到底意味が分かりませんが、ちょうど実った柿の木に掛かっていた板に面白みを感じた一日でした。
俳句は歳をとってからの楽しみに下手ながら続けようと思います。

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