芭蕉林通信(ブログ)

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2008年07月31日 会議の季節

熊本生まれの人間にも今年の暑さは身に堪えます。
真夏の一週間、各種の会議に引っ張り出されました。
これも、熊本・九州が元気な証拠でしょう。

熊本県では蒲島新知事が誕生し、スピード感あふれる陣頭指揮ぶりです。先週は「くまもと夢4カ年計画」の第一回目の会合。今週は、「県観光審議会」が開催され、観光振興の条例を新たに作成するという勢いです。
熊本市では、本丸御殿の盛況ぶりを味わいながら、新たに熊本城の周辺整備を検討する「熊本城整備検討委員会」がスタート。特に、旧場内プール跡(桜の馬場跡)にいかなる施設を作るのか市民の関心も強く、委員会の責任は重大です。
たまたま、観光審議会と重なり出席できませんでしたが、福岡では「道州制第2次検討委員会」が開催され、九州モデルの天王山であるナショナルミニマムや税源の問題が検討されるなど、未来志向の数々の動きは他地域に対しても誇っていいのではないかと思います。
暑い夏に地域を熱くする各種の審議会に参加でき、刺激を受けつつ未来像を語る喜びを味わっています。

2008年06月10日 ミヤマキリシマは今が見頃

山歩きの仲間に誘われて、霧島高原までミヤマキリシマを見に行ってきました。天気に恵まれ、自然の森を歩き、様々な草花を鑑賞することができました。

まず私たちを迎えてくれたのは、霧島高原にいる野生の鹿でした。
今回は初心者コースということで参加したのですが、森や草原を歩くこと約4時間。森をわたる風はさわやかで心地よく、腐葉土でおおわれた道はクッションのように柔らかで、疲れを全く感じさせません。そして昼は、河原で天然の緑に包まれながら弁当を広げました。
肝心のミヤマキリシマは五分咲きくらいでしたが、可憐な花びらや多彩かつ濃淡のある花の色には感激しました。他の草花では、コガクウツギ、ユズリハ、ヤマツツジ、ベニハナナンテンショウ、セッコク、サルヒキなどが目にもあざやかです。野生のキイチゴがちょうど熟れ頃で、何十年ぶりかの味を楽しむこともできました。
これをきっかけに、山歩きにはまりそうです。

2008年05月19日 西日本新聞に寄稿しました。

5月19日付けの朝刊「潮流」に掲載された表題は次の通りです。
「困難さ増す食料調達 急がれる担い手論議」

 「社員みんなで夕顔を植えよう。」と提案したのは今年の四月。隠れ里を旅し、希代の目利きであった白州正子さんのように風流が目的ではない。白州さんは、夕闇に浮かぶ夕顔の白い花を愛でたそうだが、私たちの目的は夕顔を実らせ干瓢を作ることにある。というのも、中国の工場で加工した味付け干瓢が突然輸入ストップしたからである。
 今、食品業界では製品の量的確保と相次ぐ値上げに頭を悩ましている。その背景には、世界全体の人口増加や原油価格の高騰、地球環境の悪化などがあるが、昨年来の急激は変化は、世界の食料事情が新たなステージに突入したことを物語っている。
 即ち、一つにはBRICs諸国の旺盛な需要、二つめはバイオエタノール生産のための穀物利用、最後に投機資金が穀物市場に流入したことが挙げられよう。さらに追い打ちをかけたのが中国の冷凍ぎょうざ事件であり、事態を一層複雑化した。実際、多くの加工食品で値上げが続いており、バターやチーズなどは供給量の不足が深刻である。また中国から輸入する業務用食品においては、中国当局の検疫強化により通常の一〜二ヶ月遅れとなっている。
 そうした中、九州経済調査協会が3月に報告書「フード・アイランド九州の現状と新たな可能性に関する調査」を発表したのはタイムリーであった。そこでは、日本の食料自給率は先進国でも最低に近い39%だが、フードマイレージ(食料輸入量に輸送距離を乗じたもの)や仮想水(食料生産に必要な水量の推計輸入量)の観点からしても、日本は地球環境に大きな負荷をかけていると指摘している。
 最近ブームの感がある地産地消の考え方は、逆に環境負荷を最小にする方法と考えられよう。そこで問題になるのが、果たして今後食料自給率を引き上げることができるかである。
 思い出すことがある。平成11年に施行された「食料・農業・農村基本法」について意見を陳述する機会に、生産品目別の自給率目標設定について、私は反対意見を述べた。理由は、新規就農者が伸び悩んでいる状況下にありながら、担い手論が決定的に不足していると思ったからである。果たしてその後は、基本計画には反し、国内の自給率は下がり続けたのである。
 従って、今でも農業の担い手論は避けて通れない課題だと思っている。直近の統計では、国内の農業就業者は312万人でピーク時の四分の一以下に減っている。さらに深刻なのは高齢化率である。65歳以上が59%というのだから、普通の企業では定年退職した人たちが主力の労働力なのである。
 もちろん、農業法人の育成や企業の参入も制度的には認められ始めている。私も約10年前に、農業を新規ビジネス分野と捉えて挑戦したことがある。それは、工場形式による水耕栽培であり、中山間地域にある自治体の長や篤農家に新規事業を持ちかけたのであった。結果は無関心か冷たい反応だった。わずか200坪の土地を貸すとしても、村全体の歴史を変えるような事件であったのかも知れない。
 しかし、企業活動とはいえ、食料調達の困難さに日々直面していると、これからの日本はいつまで安定した食料輸入が続けられるか素直に言って不安でもある。低価格志向の強い消費者に、食料調達の困難さや少々割高の国産品を許容してもらえるような消費者啓蒙も必要であろう。
 農業が政治と関係が深いだけに、政治的リーダーシップを発揮してもらい、真の担い手が誰なのか徹底した議論が急がれていると思っている。

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