2008年03月26日 国内農業による自給率向上のチャンスだが
中国からの加工食品の輸入に時間がかかっており、在庫手当に工夫が必要な情勢となりました。国内農業を再生させるチャンスなのですが、大きな動きにならないのにジレンマを感じています。 日本の農業従事者は312万人、しかも65才以上の割合が59%ということでは、将来の担い手不足は明らかです。たぶんお隣の中国では農民は10億人ぐらいいるのですから、労働力の差は歴然であり、日本の中食・外食産業がその原材料の大半を国外からの調達に頼らざるを得ない背景にもなっています。 しかし、今後地球人口の増大や地球温暖化の影響等を考えると、世界規模で食糧争奪戦が始まるおそれがあります。そうした時に、これまでの食料輸出国が輸入国に転じるばかりでなく、自国民への食糧供給を優先するために輸出抑制の政治判断をする可能性もあります。そのとき、先進国で真っ先に影響を受ける国が、自給率が低い日本という危険性があるのではないでしょうか。 国内では耕作放棄地という農地が余っていますが、農地法の影響もあり、所有から利用へという国策の大転換が遅れているのが現状です。 地産地消、身土不二、四里四方、医食同源など様々な言い方がありますが、自給率を上げるための担い手不足の解決がその前提になることを忘れるわけにはいかないと思っています。 |
2008年02月29日 99式艦上爆撃機に思う
父は海軍兵学校を第73期として卒業した後、海軍航空隊で99式艦上爆撃機の飛行教官をしたと言っていました。そこで、一体いかなる飛行機かと思い、模型機を買ってみました。 父は、戦時中のことをあまり話さないまま20年前になくなりまししたが、その代わりに「私の履歴書」とも言うべき手記を残してくれました。その中に、99艦爆の訓練風景などをイラスト入りで書き残しています。 ところで、突然に99艦爆とはどんな飛行機なのか興味を覚えたのには理由があります。それは、来年が弊社創業140周年を迎えることから、過去の資料を整理しており、ふっと父の歩いて来た道を思い出したという訳です。 模型機自体はきわめて興味深いものでしたが、それよりも思いを深くしたのは、父が二十歳前後でいかにも操縦の難しそうな飛行機を乗り回していたという事実です。当時の若者は、国のため家族のために一命をなげうって戦場に赴いたという事実は重いものがあります。一方、現代社会で自分は何のために生きているのだろうか、と自問することになりました。 平和な時代には女が強いと言いますが、一命をなげうって国のために戦った男達の時代は、やはり男が光り輝いていたのだろうと感慨深いものがあります。もちろん、今日の平和を守ることにこそ、現代の生き甲斐を求めることも大事なことだとわかってはいるのです。 今は机の近くで、99式艦爆が父の代わりに私を見つめてくれています。 |
2008年02月08日 国産がいいけれど農業の担い手は?
中国のぎょうざ問題で、にわかに食品の国産志向が強まった印象です。 しかし、日本の農業や水産業の就業者が減る一方では、今の自給率39%を引き上げるのは至難の業に思えます。 2月7日付けの読売新聞に興味深い記事を見つけました。 記事によると、日本の農業就業者は312万人であり、ピーク時に比べて4分の1以下、この10年で2割減少し、65才以上の割合は59%ということです。耕作放棄地は全国で約38万f、これは埼玉県の面積と同程度であり、95年から1.6倍に拡大しています。さらに、漁業従事者は21万人余りで、この10年間で7万5千人も減少、男性だけでは65才以上が31%だそうです。 こうした現状を見ると、もはや日本の第一次産業は取り返しのつかないポイントを過ぎてしまった感がして、ぞーとします。 日本の農政がノー政と言われたりするのは、日本の食糧自給率を高めるといった一環した政策が取ってこられなかったからなのでしょう。 かつて、農業を語る会に出席し、日本の自給率を高めるには担い手をいかに確保するかが重要であると発言したことがありますが、これまでの経緯を見ると、悪い予想が当たったようで残念でたまりません。地球温暖化や食糧危機が叫ばれる今、日本の食糧調達を真剣に問い直していかなければならない時に来ています。 地産地消、身土不二、医食同源、四里四方という昔から伝えられた言葉を忘れずに、熊本という地域にある会社として、これからも食に関する情報発信を心がけていきたいと願っています。 |