2006年12月27日 熊本観光文化検定を始めて
![]() いよいよ加藤清正が熊本城を築城して来年は400年という節目の年を迎えます。それに呼応するかのように、細川家の歴代のコレクション「永青文庫」の里帰りが実現することになりました。 また、今年からスタートした熊本観光文化検定制度が順調に推移し、来年2月18日に実施予定の3級試験には2500名ほどの受験申し込みがあり、大変喜んでいます。(因みに、当社からは57名の社員が受験します、私は出題者となりましたので受験できません) まずは、熊本のことを良く知ってもらうこと、そうして初めて「おもてなし」の心が産まれると思っています。今回の検定制度は、その第一歩を踏み出すには最適のものと感じています。 これからは、2級、1級の試験も順次実施していきますので、多くの人の関心が一段と高まるよう期待しています。もちろん、全国各地で実施されている同様の検定制度の中には、受験者が極端に少なく失敗と言ってもいいような地域もあることは承知しています。 4年余り先に近づいた九州新幹線全線開業を本番と想定し、一年ずつ着実に各種事業が進むよう努力していきたいと思っています。 今年一年間拙文におつき合いいただき心から感謝申し上げます。どうぞ良い年をお迎えください。 |
2006年12月04日 タクシー料金の払い方
![]() 今年はスピード重視で経営改革を行うつもりであったが、問題や課題が山積し思ったほどの成果が上がらなかったように思う。 スピード感とはまさに感覚であるので、高速道路に乗った瞬間は時速100qでも怖い気がするが、高速道路を降りるとノロノロ運転に感じることとなる。従って、個人差が出るし状況で結果が大いに異なってくる。 仕事の上でこのスピード感を共有するにはどう説明すればいいのか迷っていた時に気づいたのが、タクシー料金の払い方の例である。私は大概料金を握りしめて目的地への到着を待つ方だが、そうでない人の場合は意外と時間がかかる例がある。失礼だが、やや類型化すれば、女性のお年寄りは目的地についてから料金を確認する場合が多いのではないか。 これを仕事に当てはめ、タクシー料金を問題や課題だと仮定すると、すばやく支払う人は予め問題や課題の発生を予測し、事前に準備している人となる。これが、仕事上のスピードであろうと思ったのである。 社内で3,4人の男性に尋ねれば、全員が即支払い型と答える。と言うことは、料金支払いと問題解決方法は別物だと思えて来て何ともまた憂鬱になったのである。 |
2006年11月01日 実験精神で見えるもの
![]() 企業経営をしていると、社会の変化を分かりやすく説明することが必要な時が多々ある。そのような時によく引用されるのが「茹でガエル」の話である。最初に聞いたのは、今から25年前だが、今でも多くの人が持ち出す人気のメニューでもある。 それは、次のような話だ。水を張った鍋にカエルを入れ、下から火で熱するとやがて水はお湯となり最後は沸騰する。鍋の中のカエルは、良い湯だと思っている内に逃げそびれて死んでしまう。 一方、沸騰した湯のある鍋にカエルを入れると、瞬時に危険を察し逃げて助かる。 正直に言えば、私自身も社内外でこの「茹でガエル」の話を何十回となく引用してきた。今や変化の時代である。油断をすると変化に気づかないで、企業は倒産の危機を迎える。諸君よ、変化に目を向け素早く行動を起こそう、という訳である。 ところが、最近驚く話を聞いた。「茹でガエル」の話に疑問を感じ、実際にカエルを捕まえて実験したという人がいたのである。その結果はと言うと。 奥さんが嫌がるのを無視して台所の鍋に水を張り、近所から捕まえてきたカエルを入れる。そして、火で暖めると果たして、カエルはぴょんと逃げおおせたのである。一方、熱湯の鍋に違うカエルを入れると、カエルは哀れ即死。カエルの濡れた様な皮膚は熱湯にとても弱かった。 となると、企業経営者がこの数十年訳知り顔で語ってきた「茹でガエル」の話が全く嘘になってしまうのである。私自身日頃から知識に頼ってものを見る癖があるが、知識に溺れた自分が分かってかえって面白かった。知識を捨て、もの本来の姿を無心に眺めることをしてみようと思わせる小事件でもあった。 |