芭蕉林通信(ブログ)

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2004年10月08日 アテネオリンピックのメダリストの陰で

あるオリンピック選手の物語です。

 17日間に亘り、日本中を熱狂させたアテネオリンピックが終わりました。過去最多のメダルを取ったのは東京オリンピックだということは、今回のテレビ報道で再三伝えられて知ったことですが、今となっては中学校の教室に突如テレビが持ち込まれ、授業そっちのけで応援したことのみが思い出されます。
 今回のアテネオリンピックでは金メダル16個、銀メダル9個、銅メダル12個という好成績でしたが、メダルの数以上に感動的なシーンに出会うことができました。また、そのためには深夜まで柔道、競泳、マラソンなどの実況中継につき合ったのですが、寝不足もなんのその、その甲斐があったと喜んでいます。 
 しかし、メダル争いの華やかな報道合戦の陰に隠れて多くの出場選手が闘いに敗れ、涙を流したという事実は見えてきません。私は一人の女性選手の活躍に注目していたのですが、もちろん彼女の姿はテレビに一度も出てきませんでしたし、競技の結果は新聞紙上で確認するしかできなかったのです。その選手とは、ヨット競技の一種、女子ミストラル級の今井雅子さんです。
 今井さんに注目したのには当然理由がありました。5年前にくまもと未来国体が開かれた際、私どもの社員として大いに活躍してくれたからです。宇土マリーナ沖であった女子ミストラル級の競技には当社の社員が大挙して応援に行ったのですが、あいにくのベタ凪で競技は再三中止されました。しかし日程の都合で強行して実施された競技は、ベタ凪の海上で選手達に過剰なまでの苦労を強いたものの、今井さんは実力を発揮して見事優勝を果たしたのです。
 今でも、私どもの会社には今井さんが風を一杯に受けて、ボードの上のセールを力強く握り海上を疾走しているポスターが飾ってあります。鍛え抜かれた彼女の背筋と肩から腕にかけて盛り上がった筋肉は、後ろからは男性と間違えられると言った彼女の言葉を実感させるものです。
 ある時、今井さんに競技生活について語ってもらったことがあります。
彼女は正真正銘の日本の第一人者、つまり日本のチャンピオンであり競技生活は世界規模です。当時のスケジュールは、来週はギリシャの海で、その後はメキシコで、その後はまたヨーロッパに戻って世界選手権に出場といった感じでその過密なスケジュールに驚いたものです。それにしても、世界の一流プレーヤーと競い合う人などとはそう簡単にお目にかかることはできないので根ほり葉ほり質問を試みました。 
 彼女の夢は限界を知りません。まず、県内でナンバー1になった時、次は日本でナンバー1になろうと決意しました。そして日本選手権で優勝した時、世界選手権での優勝を夢見て再び挑戦を開始したのです。世界で挑戦するというのはどういうことか実感は湧かないのですが、練習ぶりを聞いて驚きました。要は、1年365日一日として海で練習しない日はないのです。なぜかと聞けば、本番を迎えた時に良い成績を残せなかったならば、練習が不足したと反省しなければならない。そんな悔いのあることはしたくないと言うのです。
 そして、一度だけ世界選手権で優勝した時は自分でも信じられないぐらいに全てがうまくいったのだそうです。スタートダッシュ、コース取り、他の選手のとの駆け引きなどが無心の状態でできました。そうのような常人では想像できないような努力を積み重ね、海外での競技に経験を積んだ今井さんでさへ、アテネではメダルには遠く及ばない17位。
 それでは、頂点を極めたあのアスリート達は一体どういう人間達なのか逆に考えると、とんでもない人間像が浮かび上がるのです。
才能に恵まれているばかりではなく、超人的な努力を積み重ね、そして最後には運が微笑む。不幸にも勝利の女神に見放された選手の皆さん方には、アテネでの借りを北京ではらしてもらいたいもです。 

2004年09月15日 残暑お見舞い申し上げます。

台風16号、18号が相次いで九州に上陸し大きな被害を残していきました。台風一過の秋晴れが続くのはいいのですが、相変わらず厳しい残暑が続き体力の消耗が進行しているようです。

今年の夏の猛暑は、商売の上では悲喜こもごもの結果を招いたようです。
小売業態別では、CVSは飲料を中心に売上を伸ばしましたが、スーパーマーケットは食欲不振の影響を受けて客単価が下落、百貨店も暑さのせいで人の動きが悪く売上は伸び悩んだようです。
デジタル家電などのオリジナル性が強くかつ高付加価値商品は、アテネ特需もあり消費者の財布のひもをゆるくさせたようですが、食品流通業界は相も変わらず過当競争で、天候に一喜一憂せざるを得ない状況ともいえます。
当地熊本では、九州新幹線開業後約半年が過ぎて観光や街作りの点で鹿児島に対し劣勢なのが明らかになったようです。それでも、行政も県民にもさして危機感が芽生えないのは、熊本の底力(?)なのかも知れません。もっとも、何もしなければじり貧は免れないでしょうが・・・
今日は、阿蘇地区の奥にある、小国郷の滝を見ていただこうと思います。
滝の裏側に入りますと、あたりはひやっと涼しく飛び散る水の飛沫と周辺の緑が対比され、しばし時間のたつのを忘れさせてくれます。
まだまだ、暑い日が続きますので、くれぐれもご自愛ください。

2004年08月12日 変貌著しい大連

福岡空港からわずか一時間半のフライト。
戦前の大連・旅順は関東州と呼ばれ、日本人が20万人もいた大都会です。
4年ぶりの大連は、空港が整備され片道3車線の高速道路ができ、高架を電車が走るなど驚くような変貌ぶりでした。

大連市内は人口2百万人。目抜き通りには、新しい高層ビルが林立し、あたかも新宿副都心に迷い込んだかのような有様です。
旧満州国時代の古い石造りの建物と近代的なビルが、程良いバランスを保っています。
車で一時間ほどかかる郊外には、経済特区が形成されていますが、特区内を縦横に走る高規格の道路に沿って工場、事務所ビル、ホテル群が立ち並ぶ様は壮観の一語です。
要所に配置された公園の緑も目に優しく、都市計画の緻密さに感心させられました。
現在の中国人は、将来に自信も持っているせいか、収入の殆どを貯蓄せずに消費に回すとのこと。これは、インフレが続いているとの背景もあるのでしょうが、デフレに苦しむ日本とは違い、消費が新たな投資を生み、それが周り回って給与水準を上げていくという良循環になっていると思われます。
もちろん、バブルの懸念もあるのですが、勃興期の国のエネルギーを十分に感じさせられる、中国の人たちの輝く瞳が印象的でした。

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