2021年01月21日 月がきれいだな
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紹介されている一つのエピソードが漱石の超訳である。五高の生徒が「I love you 」は汝を愛していると訳して良いかと質問した。漱石の答えは「月がきれいだな」が良いと。日本人は愛してるなどと言わないし、第一向いていないと言う。小説に出てくる小天(おあま)温泉もよく知った所であり、そこを舞台とした「草枕」は漱石の芸術論が披瀝されていることで知られている。これからは漱石の第一子誕生の場面が描かれるはずである。漱石は生涯多くの俳句を作りその半数は熊本時代に作られたと言われており、「安々と海鼠の如き子を生めり」という句が果たして小説に出てくるかどうかなど興味が尽きない。 一方、辻惟雄氏が名著「奇想の系譜」で世に問うた江戸絵画、とりわけ岩佐又兵衛、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪らの作品に辻氏がいかにして出会い、それらをどう評価していったのか知りたくてうずうずしている。未だ知られていない優れた作品や作家を人よりもいち早く発見して正しい評価をするというのは、冒険そのもののようでドキドキワクワクする。しかもおまけまで付いていることに気づいた。漱石が小天温泉の床の間に掛けてある伊藤若冲の鶴の絵を見ていたく感心する場面がある。つまり、「ミチクサ先生」と「私の履歴書」がここにつながったのである。 |
2021年01月18日 首相、順番が間違っていますよ。
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首相の考え方の背景にあるのは「新自由主義」という考えである。首相誕生の経緯を遡ってみると、小泉首相が安倍さんを後継指名し、安倍さんが菅さんを後継指名して今日がある。そして小泉首相が経済政策面で登用したのが経済学者の竹中平蔵氏であり、彼は市場経済原理主義者ではなかったかと私は思っている。同じ大学の同級生である竹中氏が、政治の中枢で郵政民営化を主導したことを自慢に思っていたが、その流れが今もって変わっていないというのが現実だろう。(面白い事実は、竹中総務大臣の時の副大臣が菅現総理。前から強い絆がある。) 新自由主義の考え方は、小さな政府の元で民間部門にできるだけ任せた方が、競争原理が働き効率が追求され生産性が上がり経済が発展する、そのことにより全体が豊かになれば皆がハッピーだというユートピア的思想である。しかし現実の世界はグローバル化のひずみの中、フェイクニュースが飛び交い、地球温暖化や格差の拡大など負の面が続出している。ノーベル経済学賞を授賞したコロンビア大学のステグリッツ教授は、「市場の失敗が民主主義を傷つけている」と喝破した。トランプ大統領が分断を煽り、民主主義を危機的にしているのがアメリカの現状だ。 そこで日本の首相に申し上げたいのは、「公助、共助、自助」に順番を変えない限り弱者は救われないだろうと言うことである。コロナ感染対策もしかり、自粛要請だけでは問題が解決しないことは自明であり、強いリーダーシップが必要なこともこれまた自明のことなのである。 (参考文献)① 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 ②欲望の資本主義4 ステグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦 ③100分で名著 資本論 |
2021年01月13日 今頃知った医学知識
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1.目のまぶたを擦っているとまぶたが下がってきて目が小さくなる 2.大きな音を聞き続けていると難聴の原因になる 3. 日焼けはシミの原因になる 4. 髪の手入れをすれば禿げることを抑制できる 5. ふくらはぎは体内の水を貯める働きがあるので夜間頻尿を減らすにはふくらはぎの筋肉を鍛える 6.腸内細菌により免疫力を高める 7.歯磨きで虫歯・歯槽膿漏を予防する 8.寝る前は洗顔して顔の肌を守る 9.視力の衰えを示すタピオカサインを見逃さない などである。 一つ一つ説明するには時間を要するので省くが、中には常識的なものもあれば目から鱗と思ったものもある。最も愕然としたのが目のまぶたの話である。と言うのは若い頃はまん丸の目を自称チャーミングポイントにしていたが、いつの間にか目が小さくなって内心忸怩たるものがあったからである。目が痒くなると何気なくまぶたを擦っていたことは数限りがない。擦るたびにまぶたを引き上げていた筋肉を痛め減らしていたとはついぞ知らなかった。無意識の行為が今となっては取り返しのつかない事態を招いていたのである。唯一の希望としては、目を大きくする手術があるにはあるが、今ひとつ気が乗らないでいる。 |