芭蕉林通信(ブログ)

HOME > 芭蕉林通信(ブログ)

205件〜207件 (全 722件)   <前の3件     ・・・   65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73  ・・・   >次の3件

2020年06月25日 家事見習い

 コロナ騒動の落とし子の一つは、日頃会社人間と化していた男性連が家事に関心を示し始めたことではないだろうか。テレワークにより家にいる時間が増えると家事が身近なものとなる。昔のことだが、ある調査機関が家事の費用を算出したことがあった。それは会社勤務の給与の半分ぐらいだったと記憶している。最近、惣菜や弁当などの「主婦いらず」カテゴリーが発達しているので、少しは家事が軽減され費用は減額しているかもしれない。

 私の場合は、家事をする中にいろいろと創意工夫することがあった。道路に落ちた花や葉っぱの履き方は箒次第で効率が違うし、美味しい湧き水の出る所を発見したりもした。湧き水で淹れたコーヒーを飲めば、水汲みの苦労は一瞬にして吹っ飛ぶ。ましてや湧き水の飲み比べまでできたりすると、「水の国」熊本に住んでいて良かったと心から思えてくる。たまにする風呂の掃除は運動不足の解消と思えば付加価値が付いてくる。

 自画自賛の工夫の一つは天井の切れた電球を替える方法である。従来は大きな脚立を倉庫から持ち出して電球替えしていたが、手間隙がかかる上に重いし危なくて仕方がなかった。そこで、3mほどの長さがあるダンボール紙の筒の先にガムテープを貼り、そこに電球を貼り付け、さらに落下防止のためのジョウゴをつけて見事電球替えに成功した。名付けて「天井電球ハメハズシ機」。第二は猫の通路封じである。野良猫が庭に入らぬように、ブロック塀の上にプラスチックのバケツを置き通路を遮断した。バケツの丸くて細い縁ならば猫も足を乗せられまいと推測したのである。ただしバケツをそのままにしていたのでは雨水が溜まるので、バケツの底には穴を開け水が溜まらないように工作した。これで憎き猫も降参だろうと思ってふと庭に目をやると、そのバケツの横をうまくすり抜ける一匹の黒猫。愕然としつつも、さあ知恵の勝負は第二段階に入ったと覚悟した。

2020年06月24日 ギャンブル依存症

 カジノを誘致するのしないので大騒ぎしていた日本だが、コロナ騒動であっという間に忘れられた感がある。その際問題になったのがカジノはギャンブル依存症の人を増やし家庭崩壊を招くではないかという懸念であった。確かに過去には、芸能人が海外のカジノで借金を作ったとか、大会社の御曹司社長がラズベガズで会社の金数十億円を流用して大損したなどの事件が話題を集め、なんとなくカジノ=悪のイメージができた。

 一方、私のギャンブル体験は乏しい。まず、新入社員歓迎会で目隠しした味当てクイズに参加した時のこと。牛乳を水で薄めた飲み物をウィスキーの水割りと間違って笑われたのが運のつき。東京に異動した先では、10の予想クイズを部員同士で争った。巨人軍に入団した原辰徳は一軍のサードに定着するか・為替レートは年末いくらになるかなどの予想をことごとくはずした。ある時には有志に誘われ馬券2千円買ったら、たまたま1万円超の配当を得た。自分に才能ありと思い込み、次に参加したらもろくもハズレ。早々の店じまいとなった。パチンコは試しに2千円分の玉を買いゲームを始めたところ、1個の玉も穴に入らないのに呆れてすぐに断念。

 他には、麻雀、花札、チンチロリンなどの経験があるものの結局好きにはなれなかった。株式投資はバブル時代の財テクの凄まじさを見て、上限2千万円と決め投資したが、約1年で半分を損したので中止。かくして、私にはギャンブルは絶対肌に合わないという考えが刷り込まれてしまった。そういえば、亡き父は「会社経営ぐらいギャンブル性のあるものは他にない」と言っていた。だからと言うわけではないが、経営というギャンブルだけは依存症気味に今でも続けている。

2020年06月18日 ドゴン族のはしご

 フランス旅行最後の一日は自由行動だったので、パリ市内の文化の香りが強い地区に行くことにした。できれば蚤の市があれば覗きたいところであったが、そのような僥倖がある訳もなく、地下鉄を経由して、街の一角をぶらぶらと歩いた。しかし、そこにはサルトルとボーボワールが会っていたというカフェがあり、通りに沿ってはおしゃれな店舗が点在していた。

 ピカソがアフリカのプリミティブ・アートに芸術性と原始のエネルギーを感じ、影響を受けたことはよく知られている。フランスにとっては多くの植民地をもっていたアフリカは身近な存在でもあったのだ。そのためか街にはアフリカンアートを扱う店が多くあった。そしてその世界では有名な一軒を偶然に見つけ喜び勇んで入った。果たして密かに欲しいと思っていたアフリカのはしごを発見したが、時間切れで交渉は不調。涙ながらに帰国した。

 ところが、約10年後の先月、幸いにもネットでアフリカのミニチュアはしごを購入することができた。本物が大きいのは当たり前だが、ミニチュアはしごは先祖の祭祀用に作ったものであるから、とても小さいが決して偽物ではない。部屋に置くにはちょうど良い大きさなのである(長さ15〜20cmぐらい)。詳しく調べたところでは、マリ共和国のドゴン族が祭壇にきびのお粥椀を置き、それに立てかけていたはしごとか。はしごを使って天国と地上を行き来するという意味があるのだろう。はしごだからと言うわけではないが、念願の物を手に入れてほんの少し天にも昇る気持ちなのである。

205件〜207件 (全 722件)   <前の3件     ・・・   65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73  ・・・   >次の3件