芭蕉林通信(ブログ)

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2020年08月21日 水やり

 連日の猛暑に庭の木や花が萎れたり赤茶け始めた。とりわけ植栽の「りゅうのひげ」は直射日光にさらされ弱り切っている。見るに忍びないので朝か晩には水やりをする。葉が変色している所は念入りに、かつ頑張れよと声をかけながらの作業である。ついでに庭全体にも水やりをするが、何気なく眺めている庭には思いがけない発見があった。

 まずは可愛い昆虫たちが庭を住処にしている。落ちてくる水に驚くのは、ハグロトンボ、ナツアカネ、揚羽蝶、黒揚羽、シジミチョウ、カマキリなどである。一匹のナツアカネは、水を避けつつ毎回その赤い尾っぽを見せて右往左往する。庭には芋虫がいるので、脱皮した蝶々たちは庭を故郷と思っているに違いない。

 問題は酔芙蓉に巣食う毛虫である。そもそも酔芙蓉という花を知ったのは、おわら風の盆で有名な富山市八尾に行ったからである。軒先に置かれた酔芙蓉は、朝から昼にかけて花びらが白から赤に染まっていき、風の盆を一層引き立てる。毛虫はその酔芙蓉が大好物らしい。そんな毛虫を見つけたのは水やりのおかげである。見つけてからは毛虫退治がこの2週間の日課となっている。恥じるように赤くなる酔芙蓉の花を見るためには、しばらく毛虫たちとの戦いには気が抜けない。

2020年08月21日 昔はこんなに暑くなかった

 今年のお盆休みはコロナ感染のリスクから移動を自粛する動きが強まった。九州新幹線の利用が半減したと聞くと、影響を受けている企業の苦労が偲ばれる。それに加えて連日の猛暑である。気象予報士は危険を伴う暑さであると警告をならし、熱中症の患者が激増している。熊本県について言えば、4年前の熊本地震、今年のコロナ感染者の増加、球磨川の氾濫、そして危険な猛暑と悪いことが続いている。

 同年輩や年配者と会うと、昔はこんなに暑くはなかったという話になる。気象庁のデータを調べてみると、東京の8月の平均気温は明らかに上昇している。主な年の平均気温を抜き出してみる。私が生まれた1950年は26.2度。200年は28.3度。昨年は28.4度。そして今年は8月半ばまでの平均で29.2度を観測しているから、70年前に比べて3度も上昇している。異常な高温が日本列島を襲っているのは疑えない事実である。「昔はこんなに暑くなかった」とは本当のことだった。

 もしもこれが地球温暖化の影響ならば、この異常な高温は常態化する怖れがある。インド洋などの大洋の海水温が上がり、結果として来年以降もゲリラ豪雨が日本の河川を氾濫させ、さらには台風を巨大化するかもしれない。世界のリーダーが地球温暖化の抑制に舵を切らなければ、若い世代は厳しい自然環境に対峙せざるを得なくなると懸念している。

2020年08月17日 今年のお盆休み

 例年のごとく今年のお盆は球磨郡水上村の民宿に赴いた。高速道路を経て人吉インターで降りるとそこからは人吉の中心市街地は近い。球磨川の氾濫で大きな被害を被った九日町通りに行くと、災害ゴミはほとんどが撤去されており、報道で惨状を知っているだけにその復旧ぶりに驚かされた。とはいえ、仔細に見ると、行きつけの民芸の店、鰻屋、定宿としていたホテルなどは洪水の傷跡を残したまま閉鎖されている。あの豪雨が襲った僅か一日のことで住民の方々が大きな被害に会われたとは、何という運の悪さかとも思う。

 一方、被災地の上流域に当たる水上村は幸いにして被害は少なかった。ただ洪水時にぎりぎりまで緊急放水を検討した市房ダムには大量の流木が放置されていた。人里離れた民宿ではしばしコロナを忘れることができたが、エアコンのない部屋では思いがけない暑さに死にそうな気がした。

 それでも二泊する間に、地元で取れた山野草の料理、天の川とペルセウス座の流星、著名なロシア語翻訳家の隠遁したかのような住まい、着替えの下着から出たきたクワガタの子供、田の神に捧げた供え物など野趣豊かな時空を経験できたのは幸せだった。例年だとこの時期に開催される村の盆祭りはさすがに中止であったが。

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