芭蕉林通信(ブログ)

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2020年08月06日 原爆記念日の思い出

 今年も8月6日を迎えた。昭和20年広島に原爆が投下された日である。私が大学を卒業し社会人として一歩を踏み出したのが広島だった。独身寮での生活を謳歌し、その後新婚生活をスタートさせた思い出のある街である。昭和48年4月に銀行の広島支店に赴任した当時はオイルショック直前であり、東洋工業(現マツダ)のロータリーエンジンを搭載していた車が飛ぶように売れていた。繁華街の流川や八丁堀で飲み会をし二次会を終えて帰ろうとすると、空車のタクシーを探すのに苦労するほどの好景気に沸いていた。

 ところがその年の秋に突如襲った第一次オイルショックは、宇品港に売れなくなったロータリーエンジン車(燃費が非常に悪かった)を山積みにし、企業城下町の夜の灯は一斉に暗くなった。そして、原爆記念の日には、平和公園の横を流れる元安川で原爆により家族をなくした多くの人により灯籠流しが行われた。スピーカーでは読経が流され、しめやかな雰囲気が漂った。

 そうした時、広島支店に勤務している女性行員に、何気無く「灯籠流しは広島の夏の風物詩だね。」と言った。その女性からは、夏の風物詩とはなんたる無神経かといったお叱りを受けたのである。原爆で親族を亡くした家族に対しては思いやりのない発言だと言わざるをえず、われながら深く反省した。そして今でもそのことを思い出すたびに、他人の心を思いやることの難しさを感じ、声をかける時は控えめにすべきであると考えるのである。

2020年08月03日 妖怪・アマビエのキーホルダー

 江戸時代末期の肥後の国、海に突如アマビエという妖怪が出現したという瓦版が残されている。アマビエは自分の姿を絵に描き持っていれば疫病を退散できると言ったそうである。これに注目したのが新型コロナの感染におののく現代人である。いつもならばマイナーな存在であるアマビエが一挙に脚光を浴びることになった。もっとも今でもアマビエを知らない人は多いとは思うが。

 そこで、私の会社ではコロナ退散を願い、アマビエでキーホルダーを製作し多くの人に無料配布しようと企画した。原資は「熊本城復興祈念カレー」の売り上げの一部を積み上げたものである。瓦版に残されたアマビエは上半身は人間のようで下半身は人魚である。鼻はとんがって髪は長い異形の姿で描かれている。これを会社のデザイナーが美しいアマビエに変身させたという訳である。

 できあがったアマビエ・キーホルダーは500個を熊本市に寄贈した。思いがけず大西熊本市長から直接お礼の電話を頂戴したのには恐縮した。このキーホルダーは疫病退散と熊本城復興を心から願う私たちの想いであり、いつの日か必ず希望は実現すると確信している。アマビエ様、頑張って。

2020年07月27日 文房具・愛

 世の中に文房具好きは多い。文房具店を覗くたびに新製品に目を奪われ、売り場に広がる色の洪水に陶酔する。いつぞやは文房具の達人が5人集まり、誰が新製品を最初に見つけるか競うテレビ番組があったが、小走りに目的の売り場に行き品物を探す速さに感心した。また自分が知らない文房具がたくさんあり、是非買いたいと思わされたものである。

 もっとも最近は、地元の文房具専門店が売り場を縮小しているのが気になる。パソコンやスマホの時代になり、文房具自体の出番が少なくなっているに違いない。現にこの文章にしても、キーボードで入力し、ネットで発表するかぎりは一切文房具は使用しない。手紙にしてもSNSに置き換わる時代なのである。

 とはいえ頭に浮かぶアイデアや考えを書き留めるには、紙やノート、ペンなどの書き道具は必須アイテムである。出番は少なくなったが、使用するペンやノートにはこだわりを持ちたいと思っている。ただ万年筆の場合は、インクの補充からスタートしなければならないので、インクで指をきたなくすることはまぬがれない。それもまた儀式と思ってこその文房具・愛と思いたいのである。

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