2020年09月10日 余生は余得
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朝刊を読む時の癖となっているのは、死亡欄に必ず目を通すことである。若い時には、万が一知り合いの方に不幸であれば、すぐさま対応しなければならないと思っていた。今はそれに加えて、亡くなった方が知り合いかどうか関係なく享年と死因が気になる。 もし私よりも若い方であれば若くしてもったいないと思い、ご年配の方であればこれから何年生きられるか計算する。死因が分れば、自分にはその病気にかかる可能性がどれほどあるか想像する。かくして、手元には「法華経」「旧約聖書」「死について」などの本が積まれることになる。「生」を知らずして「死」を語るなかれと孔子様に叱られそうだが、ただ希望を持つとすれば、余生を余得と思い一日一日を楽しく過ごすことである。 |
2020年09月04日 毛虫とオーガニック野菜
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なぜ「ホール・フーズ」を思い出したかと言うと、我が家にある酔芙蓉の葉を食べるフタトガリコヤガと連日格闘していらからである。この毛虫を最初に見つけた時にはひょっとして蝶の幼虫かなと憐憫の情が起こりかけたが、ネット検索でガの正体を知ってからは心を鬼とした。それにしても駆除しても駆除しても毎日どこからか出てくるのには呆れてしまう。駆除を初めて2週間もたつと、どれどれ今日もお出ましかと半ば楽しみになっているのは私にサド的気質があるのかも知れない。(いえ、絶対にありません。) そこでふと考えたのは、無農薬で野菜を育てるのは手間暇がかかるということである。しかし、見栄えの良い野菜を一定の数量でしかも適当な値段で市場に出すには人件費を極力抑えなければならない。だから駆除剤をまき一瞬にして毛虫をやっつけるのである。農家の人は自分の家で食べる野菜に農薬を使わないと言う。それを聞いてゾッとしたことがあるが、「知らぬが仏」とこれからも普通にきれいな野菜を食べ続けるのである。 (写真はガの幼虫に食べられた酔芙蓉の葉) |
2020年09月02日 私のキャッシュレス始末記
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もう一つ、キャッシュレス社会への移行が遅れている。隣国の中国や韓国では、キャッシュレスの進展により国民の移動の把握が容易になりコロナ対策に生かされている。3年前に日本銀行の支店長に講演を頼んだ際には、日本でキャッシュレスが進まないのは、背景に政府発行通貨に対する信頼が厚いからとの説明があった。それにしても、日本の情報通信技術(IT)政策担当大臣が74歳なのに対して、コロナ対策に辣腕を振るっている台湾のデジタル担当政務委員(大臣)が若干35歳なのは、すでに大臣任命において勝負ありと言いたくなる。 知り合いの専門家の一人は、日本がマイナンバー制度を導入した時がデジタル化を進めるチャンスだったのに中途半端のままに終わってしまったと言っていた。かくいう私も、遅まきながら現金に別れを告げてカード利用と電子マネーに切り替えようと考えたのは良いが、取引銀行が決済システム先と未提携のため門前払いを喰ったのである。そうこうしている内に、毎月のカード請求額を見るのが恐くなり、できるだけ現金で支払おうとする体たらく。かくして、私自身がデジタル化の抵抗勢力に成り下がっているのではないかといささか憂鬱な日々を送っている。 |