芭蕉林通信(ブログ)

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2024年03月04日 寄らば大樹の陰

 あらゆる組織で新入社員からベテランまで転職する人が増えている。昨年は弊社でも幹部の転職があった。その時思ったのは大樹が倒れたならば周囲の樹々に伸びるチャンスが回って来るということだ。

 「寄らば大樹の陰」と言うことわざがある。頼りになる人がいればありがたい。しかし森では太陽光を取らんと樹々が争っている。大樹が太陽光を独り占めすれば、周りの樹々の成長は難しい。そうした時に大樹が枯れたり雷で倒れるかすれば、一挙に周りの樹々が大樹になる可能性が強まる。

 幹部の退職もまたしかり、残された社員が覚醒し飛躍してくれるのが頼もしい。振り返ると、私の場合は39歳で父という大樹を亡くした結果とたんに風雨にさらされることになり、それを乗り切る過程で精神的に強くなった。やはり組織にあっては、スタッフに陽が当たるように配慮してあげることが大事なようだ。

2024年02月14日 風邪を引けば世界観が・・・

 「身体とこころは一体である」との健康学の本を読んでいたら、興味深い一文が紹介されていた。 それはロシアの文豪チェーホフの次のような言葉である。「風邪を引けば世界観が変わる。つまり世界観は風邪の症状である。」なんだか深い意味がありそうだが、今一つ分かりにくい言葉だと思った。

 ところが今日地元紙の朝刊に、ある女性が配偶者との馴れ初めを書いていた。それは大学生の頃、魅力的な九州男児が風邪を引いたので「釣り針」入りのおかゆを持って行ったら、見事釣り上げたとの話である。そして、今は息子ふたりに風邪を引いた時には気を付けるように言っているとの話に思わず笑ってしまった。

 つまり、風邪を引いた九州男児は恋愛観が変わり、おかゆを差し入れた女性に恋をしてしまったのである。この場合、恋愛観は風邪の一症状だったのだろう。わが身を振り返っても、風邪を引いた時には確かにやる気が失せることがある。人間の精神やこころは、かくも身体の具合に左右されると思うと恐ろしいような健気な気がしてくるのである。 (写真は春の空をバックにした台杉)

2024年01月29日 華僑の話

熊本在住の華僑の一人が著した自叙伝を読む機会があった。ご両親が福建省から日本に来て熊本で生を得た人である。特に親しい関係ではないが、お会いしたことのある方なので興味深くその本を読んだ。私よりは一世代前の人である。感心したことを次に列挙してみたい。

 1.華僑にはどの国に行っても生活できる職業として「三把刀(さんばとう)」がある。料理(包丁)、仕立て屋(ハサミ)、床屋(カミソリ)の三つである。 2.大学進学した時期に中華人民共和国が誕生したが、留学生には学費、生活費、寮費の支給があった。 3.華僑のネットワークは全国あるいは世界に広がり、相互に助け合う精神がある。 4.家族のきずながとても強い。 5.日本人の海外移住者は日僑、あるいは和僑と呼ばれる。

 私などは日本国内生まれの国内育ちなので、華僑の持つ思想や哲学、行動様式が新鮮に思えた。知らぬうちに井の中の蛙になっていたのである。母国を離れて異国の地で生きぬくには特別な力と根性が必要なようである。

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