芭蕉林通信(ブログ)

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2017年02月13日 雑草

 最近、「雑草」という書を見た。これを書いたのは、熊谷守一という画家であるが、枯れた感じの書は今でも人気がある。彼は90歳を超えてなお貧しい生活に甘んじて仙人のように生きた人で、絵や書はその人の生き様と重なるのである。従って、他の書家が書かないような言葉が多く、「雑草」以外にも「蒼蝿(あおばえ)」などを書いている。

 さて、この「雑草」という書を見て感じたことを記してみたい。まず、昭和天皇が「陛下、これは雑草です。」と言った人に対して、「君、雑草という名の植物はないよ。」とおっしゃったエピソードである。うーーん、これは含蓄がある。さすが天皇陛下と思う。雑草辞典を買って見たところ、確かに雑草それぞれに立派な名前が付いていることにびっくりしたことがある。人間社会においても阿部首相やトランプ大統領だけが名前を持っている訳ではない。皆んな、それぞれに立派な名前を持っているのだ。

 それでも「雑草」の書に惹かれるのはなぜか。もちろん、その書に気品があり、素晴らしい墨の色が出ているのは間違いない。大事なのは、「雑草」の書に秘められた意味なのである。私が雑草からイメージするものは、たくましさ、生命力、不人気、無名性、栄華とは無縁。こう考えると、まさに熊谷守一の人生観につながる。自分の役割を果たすことができさえすれば、市井(しせい)の人、普通の人、一般の人だからこそ人生は良いのではないか、と思わせてくれるものが「雑草」という書にはあると思う。

2017年02月07日 先輩からのご下問

 自分の年齢がいくつになっても甘えられる先輩がいるということは幸せである。生きている限り先輩の年齢を超えないということがまた良い。そういう先輩二人に先週大阪で相継いでお会いすることができた。ここで言う先輩とはあくまでも人生の先輩という意味である。  そういう先輩の一人からは、これからの流通業をどう見るかとのご下問があった。私にはいつも難しい質問をされる方なのである。しかし事前に予習していたので、私はトランプ大統領が誕生したり人工知能が活躍する時代なので未来の予想は不可能です、むしろ予想不可能なことを前提に機転を効かせて臨機応変に行動できる人材が流通業には必要なのではないでしょうかとお答えするのが精一杯だった。

 また御年92歳の経営コンサルタントの先生には、トランプ大統領と習近平総書記の誕生日を知っているかと聞かれた。二人は6月14日と同月15日の生まれであり、なんと1日違いなのだそうである。ということは世界が注目する二人は星座が同じ双子座で性格も似ているのかなと想像した。まことに先生は羨ましいほどの記憶力と好奇心の持ち主なのである。(因に、双子座の人物の特徴は、あらゆる環境に適心し、自分の決定においても態度を変えることができるタイプとネットに出ていた)

 こうした先輩が存在していることが我が身の励みにもなり、また反省させられる原因でもある。92歳の先生からは、君はまだ若いねと何度言われたことか。お二人には足元にも及ばないと思い知らされたことが数多いのである。しかし、一方では早くお二人に再会してさらなるご下問を待ちたい心境なのである。

2017年01月31日 福山雅治のSONGLINEを見て

 昨晩の番組は福山雅治がアメリカのニューオリンズを訪ねて、ジャズが産まれた背景を探るといったものだった。私がニューオリンズに行ったのはかれこれ25年前ぐらいのことだったろうか。

 今でも思い出すのはミシシッピが大河であり古き外輪船が停泊していたこと、ディープサウスの名の通り黒人奴隷の労働に頼ったプレンテーションの名残りが点在する大邸宅に見てとれたこと、1両編成の電車路線がいくつかあり、その内の一つの路線名がDESIRE(欲望)であり、有名な戯曲「欲望という名の電車」の舞台になったこと、街の中心にはセント・チャールズ公園があり、その周辺で子供を含めたジャズのストリート演奏が繰り広げられていたこと、不夜城とも言うべきバーボンストリート近辺では20を越すライブハウスが通りにまで演奏曲を流していたこと、街の一画にフランス植民地時代の面影を残すフレンチクォーターがあり、名物の巨大なオイスターを生で食べたこと。

 番組を見ていると、それらが走馬灯のように頭をよぎっていったのである。そのニューオリンズが数年前に大型ハリケーン「カトリーナ」に襲われた。その時の状況が番組で紹介されていて息を呑んだのだが、ニューオリンズの市民が「聖者の行進」を唄いながら、復興に雄々しくも立ち上がったという話は熊本地震の復興を思い出させたのである。

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