芭蕉林通信(ブログ)

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2022年01月27日 タイガー計算機

 またまた古い話である。発端は社内読書会の課題図書としてオリックス元社長の宮内義彦氏の「私の履歴書」を読んだことにある。その中にオリックスが事務合理化を進めるためにタイガー計算機を導入したとあり、そこで俄かに小学生時代に父が会社で購入した機械式計算機の記憶が呼びさまされた。そしてそれはタイガー計算機だったのである。

 今では考えられないが、当時は店舗併用住宅と言い1階部分が店舗、2階部分が住居になっており、我々兄弟4人はそこで暮らし育てられていた。従って、学校が終わってからは一階にある店舗が遊び場となったが、古参の従業員にはしばしば渋い顔をされたりした。ソロバン二個を靴替わりにしてローラースケートの真似事をしたり、奥にある倉庫から店頭に品物を出すローラーに乗って遊んだりしたのだから怒られても仕方ないことを確かにしていたのである。

 そうした中でも極めつけに迷惑を掛けたと忸怩たる思いでいるのがタイガー計算機事件なのである。父が大枚はたいて購入した機械式計算機は小学生の私にとっては興味津々の対象であった。ある晩、家族が寝静まったことを確認した私は事務所に降り、薄明かりの中、こっそりタイガー計算機を使い算数の宿題を解こうと試みた。最初はうまく動いた計算機もやがて止まり、壊してしまったと恐ろしくなり、そっとカバーをかけてとんずらしたのである。会社に迷惑をかけた分、今会社のために貢献しなければならないと思っている。

2022年01月06日 火吹達磨

 かつて先輩からいだだいた歴史的資料の中に、長年謎であり気になって仕方がないものがあった。その資料とは、明治18年に出版された「熊本市街 玉盡獨案内(たまつくしひとりあんない)」という聞きなれない名のものである。わが社には、その1年前の明治17年に発刊された当時の熊本の100余りの商家を銅版画で紹介した「商工技藝早見便覧」が残っており、ほぼ同時代のものだ。先輩からの資料は、要は当時の業種別事業者一覧と言えるものである。

 この長大な一枚の案内には、今では珍しくなったり、すでに消滅した業種が数多く掲載されており、ひとつひとつをたどれば興味尽きないものがある。因みに、私の会社は乾物の欄と椎茸及び茶問屋の欄の二か所に「亀屋」という屋号で掲載されている。従ってわが社の歴史を遡るには貴重な資料と思っている。目を引く当時の業種の中でも、ユニークな名前であり且つ意味不明なものが「雲竜水師」と「火吹達磨」の二つであった。

 それからしばらく経ったある日、和水町の「いだてん 金栗四三」の生家を見学したが、そこの納戸に残されていたものが雲竜水師なのであろうと推測している。それは、水鉄砲を大きくしたような木製の消火器である。ネットにも情報がないので推測に過ぎないが、確かに当時の人にとっては必要なものだったに違いない。問題は火吹達磨の方だが、これはネットですぐに何であるか判明した。が、残念ながら実物を目にすることが長年できなかった。そうしている内にネットオークションで偶然発見したのはつい最近のこと、躊躇せずに落札した。念願叶って手に入れた火吹達磨が説明のとおりに実際に火を熾す手伝いをするかどうか、近々実験することを楽しみにしている。

2021年12月20日 クリスマスギフトの選び方

 普段は仏教徒を自覚しているが、クリスマスシーズンに入った今月、リビングルームに聖母子像の絵をかけ、玄関にはサンタクロースのスノードームを飾った。家には仏壇もあるので、東洋と西洋の神様仏様が揃ったことになる。もしも、トルコで買って来た「アラーは偉大なり」というカリグラフィー(装飾文字)を出してきたならば3大宗教が揃うことになるが、やり過ぎになりそうだからこれは辞めておこう。

 ドイツ人はクリスマスを盛大に祝う国民だが、今年は新型コロナの感染再拡大により街に賑わいが見られないとのニュースが流れ気の毒に思っている。それにしてもロマンチック街道を旅行した時の日本人ガイドから聞いたドイツ人の生活習慣は興味深かった。彼女はドイツ人の旦那さんとドイツに住んでいるのだが、数々のカルチャーショックのエピソードが大変面白かった。窓ガラスが汚れている時に近所のおばさんから抗議された話、厳冬の時にもご主人が朝から窓を全開する話、毎日の質素な食事の話など思い出すことは数限りない。

 その中でも披露したい話はクリスマスシーズンにふさわしいクリスマスギフトの選び方である。ドイツでは家族一同集まるクリスマスパーティーの主役は、ゴッドマザーと呼べる高齢のお母さんだそうである。彼女に対して贈るギフト選びには半年ぐらいかけると言うから驚いた。彼女は何を持っていて何も持っていないか、最近何に興味も持っているかなどを丹念に調べるのに時間がかかるのである。万が一考えあぐねて現金でも渡そうものなら、私に関心がないのねと叱られるとのことであった。その話を思い出すたびに、人にギフトを贈る難しさを感じる一方で、ギフトを何にするか考える時間自体がその人へのギフトになっているのではないかと感じるのである。

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