芭蕉林通信(ブログ)

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2025年06月17日 ほたる3題

 第一話・蛍を季語とした句で好きなのは池田澄子さんの「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」。じゃんけんで勝ったのではなく負けたというのが蛍の美しくもはかなさをよく表していると思う。蛍は水中・地中で約10か月間を過ごし、野外で光り飛び回るのはわずか1週間のみだから。

 第ニ話・旅の宿で一匹の蛍を見つけた。夜になると光りを放ちながら部屋を飛び回った。朝にはぐったりしていたので庭に放したが、果たして地上に出て1週間の内に恋の相手を見つけ無事に子孫を残したか気になった。

 第三話・新聞広告で石の展示会を見つけたのでグランメッセという大型のイベント施設に赴いたが、出展者の多い事とまさしく老若男女が密集するごとく集まっているのに感激した。石好きが高じて、ギザのピラミッドやシルクロードで、はたまた中国の泰山などで特徴ある石を拾ってきた身には、石展は現代の桃源郷に来た思いだった。そこで「フローライト」という石を購入したが、それは南アフリカのナミビア産で日本名では「蛍石」ということを知り、毎日飽かずに鑑賞する日が続いている。

2025年06月09日 ボーイスカウト追想

 スポーツ整体に通い始めて半年が過ぎた頃の先日、整体師が私のボーイスカウト時代の後輩Oさんが通って来ていると教えてくれた。噂をすれば影とやらとはよく言ったもので、出口でOさんとばったり出会った。約60年ぶりに会ったOさんはしきりに懐かしがってくれるが、4歳下のOさんを私はまるっきり覚えていない。しかも彼は、当時の私は雲の上の存在だったと言うのだ。

 古希を迎えた人から雲の上の存在と言われるのだったら、もはや空を自由に行き来する仙人になるしかないと思った。もっとも悟りを開いた久米仙人のように、地上の女性の太ももを見て空から落ちたという羽目には会いたくないが。熊本YMCAに属するボーイスカウト第9団には小学4年の時に入団し中学2年まで在籍した。最後は隊長をしていた。「整列!きをつけ!やすめ!」と号令をかけていたし、毎回三本指で敬礼しては三つの誓いを唱和したものだ。

 いずれOさんとは旧交を温めたいと思っていた矢先に、今度は東京の妹が帰郷し保管していたボーイスカウト時代のトーテムポール柄のナイフを持参してくれた。そこで記憶が呼び覚まされたのは御殿場で開催された富士ジャンボリーに参加したこと、各種技能を身に着ける訓練を受けたがとりわけ手旗信号やモールス信号を覚えさせられたことなどである。今さらながら両親から自然に接する機会を与えられたことに感謝しなければならない。

2025年06月02日 カフェで見たメモ

 生まれた町・新町には行きつけのカフェ「長崎次郎書店カフェ」がある。昨日はランチに行き、これまたお決まりの昔風ナポリタンと食後のコーヒーゼリーを注文した。と机に置かれているお客様メモに目が行った。中国語の細かい字で書かれたメモに興味をひかれた。

 今便利なのはチャットGPTがすぐに日本語に翻訳してくれることである。つまらない事が書いてあったらば嫌だなと思いながら、翻訳した文章を読んで驚き感激した。そこには純粋な心が悩みながらも人生を肯定的に捉えた心情が一片の詩のように書かれていたからである。いわば5年前の自分に宛てた手紙であった。以下はその全文である。

2025.5.26
私たちは時に過ちを犯す。
でも、私たちは後悔しない。

三、5年前の自分へ:
きっと、自分が日本で働くことになるなんて、想像もしていなかったよね。
でも、今の生活に特に不満もないよ…。
これまでの道のりで、本当にたくさんの親切な人に出会って助けられてきた。
だから、そんなに心配しないで。
悩んでいることの90%以上は実際には起こらないから。
もっと自分に優しくしてあげて。
それから、ここでまさか「好きな人」に出会えるなんて思わなかったよね?
日本の人や物事に動かされ、もしその人を好きになることができたのなら、 それ自体がとても素敵で嬉しいことだよ。
未来がすべて順調にいきますように。
すべてがうまくいきますように。
このメッセージを読んでいるあなたが、今の私を見て、「すべてが順調そうだ」 と思ってくれますように。

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